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ECO CAR WORLD 2007
2007.06.02()/03()開催
ECO CAR WORLD 2007 パンフレット ECO CAR WORLD 2007 会場   近年、世界各地で頻発する異常気象や生態系の崩壊。直接の影響は示されていませんが、少なからず地球温暖化,大気・海洋汚染によるものが関係していると思われます。
  自動車は燃料を燃焼する過程で必ず何らかの環境汚染物質を排出します。代表的なものにはCO2,NOx,PM(粒子状浮遊物質)が挙げられます。地球環境を守るためにもこれらの物質の削減は緊急課題です。
  ここではエコカーワールド2007にて出展された自動車についてレポートいたします。既に実現されているものからまだまだ研究が必要なものまで様々ありますが、少しでも多くを知っていただきこれからの自動車社会のあり方を考えていただければと思います。

▽燃料電池自動車 〜FCHV-BUS〜
FCHV-BUS_時刻表[赤レンガ倉庫→桜木町駅] FCHV-BUS_時刻表[桜木町駅→赤レンガ倉庫] FCHV-BUS_前面   今回も 桜木町駅=赤レンガ倉庫 の連絡手段としてHINO/TOYOTAの燃料電池バスが使用されました。車両は2005年に「愛・地球博」で会場間移動車としても使用されたもので、その後「三河」ナンバーで再登録されたものです。
  この車両の最大の特徴は燃料電池をエネルギー源として使用していることです。通常の自動車では燃料を燃焼してエネルギーを取り出しますが、この車両は化学反応によりエネルギーを直接的に取り出すので、高効率,クリーンであることが特徴です。原理的には排出ガスは水蒸気のみであり、究極のエコカーとして注目されています。
  ただし課題も多いです。ひとつは車両価格の問題。燃料電池には白金を触媒として使用するのでどうしても高くなります。今後白金に代わる新たな触媒の研究が必要でしょう。また燃料の水素にも、製造コスト,貯蔵方法など課題が残ります。
FCHV-BUS_側面 FCHV-BUS_後面

▽ハイブリッド自動車 〜ACG-HU8JLFP〜
ACG-HU8JLFP_前面 ACG-HU8JLFP_側面   横浜市交通局より出展された日野大型ハイブリッドノンステップバスです。同車はエンジンとモーターを状況により使い分けて走行するパラレル式ハイブリッド車で、加減速の多いバスに適した方式です。新たなインフラ整備が不要であることから、実用的なエコカーとして既に各所で普及してきています。

▽電気自動車 〜ELiiCA〜 ▽燃料電池自動車 〜トヨタFCHV〜
ELiiCA  [ELiiCA]
  エリーカはバッテリーに蓄積されたエネルギーを使用してモーターで走行する電気自動車です。走行時の排出ガスは一切ありません。また最高速度370km/hを誇り 電気自動車=非力 という常識を打ち破りました。
 [トヨタFCHV]
  乗用車型の燃料電池自動車です。基本的な仕組みはFCHV-BUSと同じです。
トヨタFCHV

▽DME自動車 〜DME〜
DME   DMEとは"DiMethyl Ether"の略。CH3OCH3の示性式で表されるエーテルの一種です。この物質は常温・常圧では気体状態ですが、沸点がおよそ-25℃であり、多少加圧することにより液体状態で保存できます。圧縮着火率が良くディーゼルエンジンの代替燃料として注目されています。またNOx,PMをほとんど全く排出せず、黒煙は一切生じません。今後は寒冷地でのテスト走行なども重ね、実用化に向けてさらに研究を進めて行くとのことです。

 ※DMEは水素合有率が高く、燃料電池の燃料として使用する水素源としても注目されています。

▽低排出ガス自動車 〜Quon/ELF/スーパーグレード〜
Quon ELF スーパーグレード
  低排出ガス自動車とは国土交通省の制定する"「低排出ガス車認定実施要領」に基づく低排出ガス認定を受けている自動車"のことで、NOxやPMなどの一定の排出基準を満たしています。現在国内で新車として販売されている自動車の多くはこの"低排出ガス自動車"となっています。

[豆トピ-1]なぜ地球温暖化が起きるのか?
  太陽エネルギーによって地球は暖められるが、地球表面からは赤外線を放出し、地球の内外との熱の収支が行われている。地球から宇宙空間に赤外線が放出される際、その一部が大気中の成分に吸収され、熱の放出が弱まる。この作用を温室効果という。この温室効果を示す物質として、二酸化炭素が広く知られている。
  では、なぜ二酸化炭素が温室効果を示すのだろうか? それは二酸化炭素が赤外線を吸収する働きがあるからである。少々難しい話になるので簡単に済ませるが、これには分子の振動運動が深くかかわっている。二酸化炭素は非対称伸縮の運動を持ち、これが赤外吸収の作用を示す。これに対し大気中に大量に存在する窒素や酸素は対称分子であるから、赤外吸収を示さない。
  以前は温室効果ガスの濃度が地球環境を保つのにちょうど良かったが、莫大な化石燃料の使用などによりこの濃度が上がってきてしまった。これにより温室効果が強まり地球の温度が上昇する現象が、地球温暖化である。

[豆トピ-2]二酸化炭素ばかりが悪者扱いされているけれど...
  地球温暖化に寄与する物質として、最も広く知られているのが二酸化炭素であろう。しかし、温室効果を示すのはなにもこの二酸化炭素だけではない。
  例えばメタンガス。牛のゲップの成分としても有名である。また農業においても微生物の働きにより多量のメタンガスが発生する。実はこのメタンガス、二酸化炭素のおよそ60倍の温室効果を示す。大気中での濃度が二酸化炭素に比べ低いためあまり話題にならないが、決して無視できる量ではない。
  また一酸化二窒素も温室効果を示す。このガスは主に農業における農薬(化学肥料)の使用から発生する。このガスの温室効果は二酸化炭素のおよそ230倍である。
  また一時期たいへん話題となったフロンガス。オゾン層破壊の原因として有名であるが、実は温室効果も示す。その程度はなんと二酸化炭素のおよそ10000倍である。
  マスコミによる報道などでは二酸化炭素ばかりが温暖化の要因として取り上げられているが、実際には他にも様々な物質が関わっている。先ほどは挙げなかったが実は水も赤外吸収を示す。温暖化の本質的な問題を理解し、環境問題に取り組んで行く姿勢が重要である。

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